- 骨折を予防したい
- 骨折の原因を知りたい
- 転びにくい体作りをしたい
- 運動の効果を知りたい
上記のように、転倒や骨折についての疑問や悩みはありませんか??
本記事では、バランス能力と骨折・転倒予防について解説します!
記事の最後にはおすすめの運動法もご紹介しますので、
是非記事を最後までご覧ください!!
目次
骨折の原因
高齢者の骨折の原因は
大きく二つに分けられます。
- 転倒
- 骨粗鬆症
今回は転倒、バランス能力をピックアップして伝えていきます。
まず文献を参考にして、転倒の発生率、骨折原因について紹介します。
大腿骨近位部骨折の発生原因を調査した報告では約80%が転倒によって生じていることがわかっている。
参考文献 Orimo H,et al:Hip fracture incidence in Japan:estimates of new patients in 2007 and 20-year trends . Arch Osteoporos 4 (1-2):71-77,2009
一般高齢者の転倒頻度は年間15〜20%と報告されている。
参考文献 Matusmoto H ,et al:Locomotive syndrome presents a risk for falls and fractures in the elderly Japanese population.Osteoporosis and Sarcopenia 2:156-163,2016
特に関節疾患患者は一般高齢者よりも転倒しやすい。
上記の研究のように、高齢者で起こりやすい大腿骨の骨折が8割転倒によって生じることがわかります。
加えてその転倒は、1年間に高齢者の15〜20%で起きています。
つまり、一年間に高齢者の5人に一人が転倒していることになります。
皆さんは周りの5人の高齢者と比べて、転倒しない自信はありますか??
もしあまり運動や健康について意識していない、関節痛があるなど体の不調がある場合は要注意です!
続いて次の記事では、
転倒にならない体づくりには欠かせないバランス能力についてお話しします。
バランス能力とは?
転倒・骨折予防に不可欠なバランス能力について説明します。
バランス能力については様々な定義があります。
簡単にいうと、止まっている時、あるいは歩いている時や動いている時に姿勢を保持する能力のことをいいます。
バランス能力が年齢によってどの程度変化するのかご紹介します。
片足立ちを維持できる時間
目をつぶった状態での片足立ちの時間が高齢者は若年者の約7分の1程度まで短縮する。
参考文献 Bohannon,R.W.,et al.;Decrease in timed balance scores with aging. phy.Ther.,64:1067,1984 より
転倒に対する危険性が最も高い内的因子(身体のこと)は筋力低下とされている。
参考文献 米国老年学会ガイドライン より
上記の研究にあるように、加齢にともなってバランス能力は大きく減少していきます。
したがって、筋力トレーニングやバランスエクササイズを行い転倒を予防していく必要があります。
バランスエクササイズの効果
バランス能力に対して、
筋力トレーニングやバランスエクササイズを行うことは、様々なメリットがあります。
- 転倒の危険性が減少
- 階段昇降時間の短縮
- 片足立ち時間の延長
- 転倒恐怖感の減少 など
このほかに海外の研究をご紹介します。
バランス訓練や筋力訓練を含む複合運動はグループで行っても一人で行っても、転倒率を3割程度減少させる効果がある。
参考文献 Gillespie LD et al:Interventions for preventing falls in older people living in the community.Cochrane Database SystRec9:CD007146,2012 より
転倒ハイリスク者に対して、専門家が身体特製や生活環境に応じた個別の運動プログラムを処方・指導した場合に、高い転倒予防効果が認められる。
参考文献 Gillespie LD et al:Interventions for preventing falls in elderly people.The Cochrane Database of Systematic Reviews 2006 Issue 1. CD000340 より
上記のように多くのメリットがあります。
転倒を予防し、骨折しにくい体を目指しましょう!!
また運動をすることで、
人より早く歩きたい、階段をスムーズに登りたい、自信を持って外に出かけたいなど
悩みを改善する助け舟になってくれると思います。
バランス能力を鍛えるには
最後に、効率的にバランス能力を鍛える方法をご紹介します。
バランス能力を鍛えるうえで大切な要素が3つあります。
- 認知・注意力
- 静的バランス
- 動的バランス
上記の3つを幅広く鍛えることで、転倒や骨折をしにくい体づくりをすることができます。
では、3つの要素についての説明とトレーニング方法をご紹介します。
1.認知・注意力
どのような時にに認知・注意力が必要になるのか説明します。
具体的には、会話をしながら歩く、考え事をしながら歩くなど
〇〇しながら動く時に認知・注意力を使います。
特に高齢者では、二つの物事を同時にする二重課題(デュアルタスク)の機能が衰えやすいです。
加齢に伴い、二重課題条件下での移動能力が低下し、転倒をひき起こしやすくなる
参考文献 Lundin-Olsson L,et al :”Stops walking when talking” as a predictor of falls in elderly people. Lancet. 349:617,1997
二重課題での歩行速度が38.8%減速すると6ヶ月以内に転倒する確率が84.4%になる
参考文献 山田実,上原稔章:二重課題条件下での歩行時間は転倒の予測因子となりうる-地域在住高齢者を対象とした前向き研究-.理学療法科学,2007,22(4):505-509
上記のように、ながら歩きで4割歩く速さが遅くなると、
半年以内に転倒する可能性が8割にもなることが報告されています。
反対に、二重課題をスムーズに行えるようにトレーニングをすれば、
転倒や骨折を防げる可能性が高くなり、歩く速さも早くなるということです!!
認知・注意力を鍛えて転倒しづらい体づくりをしましょう!
下記のボタンから認知・注意力エクササイズのページへ移れます。
2.静的バランス
続いて、静的バランス能力について説明します。
どのような時に使われるバランス能力かと言うと、
立ち止まったり、動きを止めたり、している時など姿勢が崩れないように支えている時に静的バランス能力を使います。
静的バランス能力が低下している人は、そうでない人に比べて1.91倍転倒の危険性がある。
参考文献 Delvaere K,et al.:Development and validation of fall risk screening tools for use in residential aged care facilities.Med J aust,189:193-196,2008.
海外の研究にあるように、静的バランス能力が低下すると転倒の危険性が約2倍になります。
詳しい運動内容については、他のページに載せてありますので参考にしてみてください。
下記のボタンから静的バランスエクササイズのページへ移れます。
3.動的バランス
最後に動的バランスについて説明します。
動的バランスはどのような時に使われるのかというと。
具体的には、歩いている時や階段を登っている時など、
移動している時に体を支えるために使われます。
高齢者では静的バランス能力よりも動的バランス能力の低下が早い。
参考文献 Hageman PA,et al.:Age and gender effects on postural control measures.Arch Phys Med Rehabil,76:961-965,1995.
海外の研究では、静的バランス能力より動的バランスの能力が速く衰えることがわかっています。
したがって運動を始めようと思う人はまず、動的バランス運動から始めるようにしましょう!
下記のボタンから動的バランスエクササイズのページへ移れます。
以上紹介した3つの運動(認知・注意力、静的バランス、動的バランス)を継続しておこない、
転倒・骨折しにくい体を作りましょう!!
転ばぬ先の「運動」です!!
More from my site
Originally posted on 2020-06-26 @ 22:02
当サイトをご覧いただき、ありがとうございます!
理学療法士のほしです!